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会長挨拶

ご挨拶

 この度2012年7月28日(土)・7月29日(日)、幕張メッセに於いて、第12回日本糖尿病情報学会年次学術集会を開催する運びとなりました。この貴重な二日間をフルに使って、糖尿病に関する様々なテーマを参加者の皆さまと語り合いたいと存じます。

 本学会がスタートした今から12年前は、糖尿病患者が増加の一途にあり、良好な血糖コントロールを得ることが最優先課題であり、自己血糖測定(SMBG)へのITの利活用など先進的な取り組みを順次取り上げて参りました。その後、糖尿病の罹病期間が長期化するのにともない、ミクロアンギオパチーやマクロアンギオパチーなどの合併症の患者が増加し、その対応が急務となってきました。特に糖尿病性腎症の重症化による透析導入患者は10万人以上となり、また糖尿病に合併する心血管疾患が急増しております。こうした事態を受けて、国も平成24年度の診療報酬改定から新たに『糖尿病透析予防指導』加算を導入し、チーム医療・多職種連携により糖尿病の重症化予防に取り組む体制の整備に着手しています。

 団塊の世代の第1陣が65歳になる今年2012年から第3陣が75歳を超える2025年までの間、医療は、重症化した患者を来た順に治療するというこれまでの『セーフティーネット型』では、もはや地域住民のヘルスケアを守りきれず、生活習慣病の重症化を地域ぐるみで防止する新たな『インフラ型』へのパラダイムシフトが必要とされております。

 この新たなパラダイムを支える基本ツールとして、慢性疾患の重症化防止を目的に、医療職だけでなく介護職、行政職も含んだ地域総力戦を支えるプラットフォームをなす「地域&個人疾病管理MAP」が実現しつつあります。この「地域疾病管理MAP」をプラットフォームとして、その上で展開されるワークフローは、単に1職種、1診療科に留まるものではなく、生活習慣病全般かつ医療の多職種への応用が可能となります。その代表が、上記のDM・CKD分野の『糖尿病透析予防指導』加算であります。これらの多職種ワークフローは、各地の多職種により開発され続けており、それらのワークフローが多職種協働により有機的に結びつく中に 新たなエビデンスが見いだせてきております。

 そこで本学術集会では、生活習慣病の代表である糖尿病領域において、本質的な多職種協働のワークフローである「疾病管理MAP」を用いたひとつの具体的事例ととらえ、これを機に新たな医療・介護の形を議論していただくための前例のない多くのプログラムを設定いたしました。

 今回のメインテーマを「多職種協働で支える高齢化社会:医療・介護の壁を破る」としました。医師や看護師、薬剤師、介護士、行政などといった垣根を取り払い、それぞれの立場で参加できるセッションを増やし、現在、そして将来も増え続ける高齢化社会に対し、院内での対応にとどまらず、住宅、食事、美容など在宅ケアでの対応も含めた広範囲に亘ったテーマを、皆様と共に作り上げる会にしたいと願っております。

第12回日本糖尿病情報学会年次学術集会
会長 平井 愛山
(千葉県立東金病院 院長)